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初めての遍路仲間と出会う
続き
(*’ω’*)「おひとりでまわられているんですか?」
(・ω・)「そうです。」
彼女は茨城から来たという。
全部回るのかと聞くと、
そのつもりだったけど、
遍路のために事前に訓練をしていたら足を壊してしまい、
なんとか来てみたがやっぱり無理そうだから、
行けるところまで行って帰るのだという。
彼女は徳島にきて数日たつというが、
徳島の人たちの温かさに触れ、
感動したことを話してくれた。
ぼくもさっき、徳島の人にジュースもらったな(*’ω’*)
歩き遍路の彼女と歩き遍路の僕は、
もちろん方向も行先も同じなので、
話しながら次のお寺に向かって歩き始めた。
雑談をしながら、お互いの旅のプランなんかも話す。
(*’ω’*)「いや~、なにせ貧乏遍路ですから」
なにげなくそんなセリフを言った。
(・ω・)「絶対ウソ、絶対お金持ちでしょ!」
いったい僕のどこを見ていっているのだろうか。
(*’ω’*)「え~、本当貧乏人ですよ! なんかお金持ってそうに見えます?」
自分では、遍路一日目にしてすでに野宿者の風格を醸し出していると思っていた(*’ω’*)
こんな荷物引きずって歩いて、
ぼく、なんかお金持ちに見える?
(・ω・)「そうなの? でもあなた絶対成功するわよ」
(*’ω’*)「えっ、。。。」
少し驚いた。
このブログの最初の記事に書いたけど、
僕にはこの遍路のテーマがある。
そのテーマはそもそも「成功」するためにこなさなければいけない課題だと思っている。
でも、彼女とはそんな話は一切していない。
話した内容といえば、どこから来たとか、何日で回る予定だとか、遍路同士で話すありきたりな会話だけ。
その後も彼女は、5番札所「地蔵寺」に着くまで、
あなたは絶対成功する人だといって譲らなかった。
彼女がなにを感じたかはさておいても、
遍路の初日にそんな言葉をかけていただけことがありがたい。
なんだかいい旅になりそうな気がした(*’ω’*)
5番札所「地蔵寺」でお別れ
地蔵寺で別々にお勤めを済ませた。
(・ω・)「あなた、お経がとってもうまいね!」
(*’ω’*)「声がでかいだけでお恥ずかしいです(*’ω’*)」
(*’ω’*)「ところで、よかったら納札交換させてもらえませんか?」
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納札(おさめふだ)
お遍路さんがお寺に納めたり、お接待を受けたときにお礼に渡すお札。お遍路さんの名刺の役割もある。
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最後に納札を交換させてもらった。
(・ω・)「今日は5月11日だから、いい日だね」
そう言って渡してくれた納札には
「自分を信じて」
そう書いてあった。
ご縁があったらまた会いましょう。
そう言って別れた。
きっとこの旅は、
こんな風に出会いと別れを繰り返すことになるのだろう。
なんだか、期待のような、寂しさのような、
不思議な感覚を覚えた。
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