前回、22番札所平等寺(びょうどうじ)になんとか到着! 後は今日の泊まる場所を確保するのみ。のはずだったが…
(6日目歩き遍路5月16日の旅日記)
前回はこちら
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平等寺でアベさんと別れ、
僕は自分の寝場所を探すことに。
ここ22番札所平等寺の近くには
善根宿「きくや」というところがあると事前に情報を得ていた。
善根宿とは、お遍路さんのために無料で宿を提供してくれている場所のことだ。
善根宿「きくや」さんは、 平等寺から200mほどの場所にある
喜久屋金物店さんが提供している宿だ。
電話して、今から行くことを伝える。
5分ほどで到着する。
地元の地主さんという感じの大きな家だった。
きくやさんに到着すると、
電話に出たおばさんが迎えてくれた。
お遍路さんに慣れているようで、
淡々と挨拶をかわし、
「じゃあその辺に荷物おいておいて」
といって誘導される。
「大丈夫?」
「え、あ、はい!(*’ω’*)」
「じゃあ、ここの庭の落ち葉広いしてくれる?」
「え、あ、はい!(*’ω’*)」
そう、ここは、宿を無料で提供する代わりに、
軽作業をしてもらうことが条件の善根宿だった。
正直、ここまですべての体力を使い果たし、
この上作業とはかなりきつい...
と思ったが、働かざる者なんとやらだ。
それに、作業自体は大した作業ではない。
ただ、きれいに砂利の敷かれた庭の上に、
落ち葉が落ちているから、
ホウキなどで掃いただけでは取り切れない。
しゃがみこんで一つ一つ取り除かなければいけない。
この軽作業は日によっていろいろ変わるらしい。
僕の時は落ち葉拾いだった。
かといっても、本格的に葉が落ちる季節ではないため、
大した量ではない。
1時間弱くらい作業をし、
大方拾い終えたところで、
もうあがっていいよとの声をかけてもらう。
「お疲れ様、きれいにしてくれてありがとうね。今日の夕食に、これどうぞ」
そういって、カップラーメンとペットボトルのお茶をくれた。
今日の夜はカロリーメイトだけだと思っていたからこれは嬉しい。
一晩宿をお借りできることの感謝を伝え、
ちょっと離れた宿の場所を教えてもらう。
宿は、10畳ほどの広さのプレハブだった。
外には洗濯機がある。
きくやさんの写真はすっかり取り忘れていて、
全然ないのが残念。
中には先客がいた。
「こんにちは~(*’ω’*)、あ、ハロー(*’ω’*)」
作業服を着たおじさんと、
白人の若いカップル1組だった。
おじさんは、きくやさんの従業員? のような方で、
この宿の管理を任されている人だった。
片言の英語でカップルと楽しそうに話していた。
おじさんはその宿のすぐ裏手に住んでいるようで、
いつもこうして立ち寄っているんだそうだ。
とても気さくな方で、すぐに仲良くなった。
「そうだ、カップラーメン食べるならネギいる? 畑になってるからとってきてあげようか?」
おじさんはぼくとカップルにそう声をかける。
カップル「ノー、サンキュー」
一瞬で断る。
僕「あ、はい、じゃあ是非(*’ω’*)」
なんでも受け入れておく。
とってきてもらったネギが、
上の写真のネギね。
カップルはドイツからきたという。
金髪の彼女のほうがとても気さくで、
よく話してくれる。
彼女たちは、お遍路を回っているという感じではなく、
ただ四国中を歩いているという感じだった。
今まで歩いてきたコースや、
明日からの予定を聞いても、
なんでそんなとこいくんだ??
って感じです(*’ω’*)
しかも、基本はすべてテント泊。
二人とも同じくらい大きなリュックを持っていた。
不思議なカップルだったけど、
こういう旅を共にできるパートナーがいるっていうのは幸せなことだと思った。
彼女とはFacebookでつながり、
帰宅後にも何度かやり取りをした。
この時、カロリーメイトのフルーツ味を分けてあげたんだけど、
それがものすごく気に入ったらしく、
「あれはサイコーだった。あの後ずっとあればっかり食べていた」
とメッセージに書いてあった。
夜が更けるまでみんなで話した。
おじさんからは遍路の情報なども色々得られた。
おじさん「この先もし、○○っていう善根宿を見つけても、そこには泊まらない方がいいよ。そこは、宿主がなにかがなくなったとか言いだして、警察を呼ばれたり、そういう話をよく聞くから」
なるほど、色々な裏事情があるんだな。
街の人から情報を得ながら旅を進めていく。
なんだか昔やったドラクエみたいだ。
遍路って、一人孤独に自分と向き合い、
歩いていく修行だけど、
どこかこうして人とつながっているような温かさを感じる。
しばらくして、おじさんは自宅へ帰り、
僕たちもシャワーを浴びたり明日の準備をしたりしてから、
就寝することにした。
みんなで写真を撮っておかなかったのが残念だったな。
歩き遍路の旅6日目終了
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